地山の土量・ほぐした土量・締め固めた土量の関係について理解していなければ解けない問題です。
それぞれの関係が理解できれば計算自体は以下の問題のようにとても簡単なので、計算と見直しをしっかり行えば確実に得点できる問題だと思います。逆に言うと確実に得点できる問題であるからこそ落とすことは何としても避けなければなりません。
土の変化率の覚え方
土量の変化率であるL(地山をほぐしたときの変化率)とC(地山を締め固めたときの変化率)は簡単な割り算で導出できますが、その式を丸暗記してはいけません。
土量の変化率を覚えるコツとしては、
- 地山の土量は常に分母
- ほぐした土量は地山の土量よりも大きい
- 締め固めた土量は地山の土量よりも小さい
という3つを意識しておくことです。とは言っても、2.と3.は感覚でわかる(ほぐしたのに土量が小さくなったり、締め固めたのに土量が大きくなるのは普通に考えて明らかにおかしい)はずですので実際には1.だけ覚えておけば良いです。そうすれば、丸暗記しなくても
- L = ほぐした土量 / 地山の土量 > 1
- C = 締め固めた土量 / 地山の土量 < 1
という関係を簡単に思い出すことができます。
なお、どうしても丸暗記以外の方法は無理だというのであれば、オススメはしませんが以下の表を丸暗記できればそれでも良いかもしれません。
変化後 | ||||
地山の土量 | ほぐした土量 | 締め固めた土量 | ||
変化前 | 地山の土量 | 1.00 | L | C |
ほぐした土量 | 1/L | 1.00 | C/L | |
締め固めた土量 | 1/C | L/C | 1.00 |
地山の土の性質も要チェック
計算問題ではなく、地山の土の性質(れき・砂・砂質土・粘性土)よる土量の変化率を問うような問題(後述)も出題されることがあるため、そららについても把握しておく必要があります。
基本的に粒子が大きくなるほど土量の変化率も大きくなる(砂よりも砂質土、砂質土よりもれきの方が変化率が大きくなる)傾向があるため、こちらも基本的に丸暗記する必要はないですが、粘性土だけはわかりづらいので具体的な変化率を確認しいた方が良いです。
土量計算に限らず、式には絶対に何らかの意味がありますので、丸暗記するのではなく、式の意味を覚えるようにした方が忘れにくく思い出しやすいというメリットがあります。用語や法規などの丸暗記以外の方法では覚えようのない分野以外で丸暗記をしないようにすると勉強が楽になるということは常に意識した方が良いです。
土量計算の出題傾向
土量計算と言うだけあって、過去問を見ても基本的には計算問題が多いです。
土量の変化に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ただし、土の変化率を”L = 1.25 = ほぐした土量/地山の土量”、”C = 0.80 = 締め固めた土量/地山の土量”とする。(平成21年No.2)
選択肢 選択肢の内容 1 100m^3の地山土量をほぐして運搬する土量は156m3^である。 2 100m^3の盛土に必要な地山の土量は125m^3である。 3 100m^3の盛土に必要な運搬土量は125m^3である。 4 100m^3の地山土量を掘削運搬して締め固めると64m^3である。 ※正解は2
ただ、中には土質による変化率の違いを問う問題も出題されるため、これらも把握しておかなければなりません。
土量の変化率に関する次の記述のうち適当なものはどれか。(平成14年No.1)
選択肢 選択肢の内容 1 地山の土量が同じ場合、締め固めた土量は中硬岩のほうが粘性土よりも多い。 2 締め固めた土量が同じ場合、地山の土量は粘性土のほうが中硬岩よりも少ない。 3 地山の土量が同じ場合、ほぐした土量は中硬岩のほうが粘性土よりも少ない。 4 ほぐした土量が同じ場合、地山の土量は中硬岩のほうが粘性土よりも多い。 ※正解は1